2017年09月19日
何度も何度も考えさせていただき、悩みましたが、今回お客様からのお手紙をご紹介させていただきます。お客様からの深い思いのこもったお手紙です。ご紹介することは、これからご来館を楽しみにされる皆様のことを考えると、事前の楽しみを奪うことになる可能性も考えられ、当社だけではなくお客様にとっても必ずしも最善とは言えないのかもしれません。 しかし、お手紙をくださったお客様のお考えもきっと私が考えること以上に、深い思いがあってのことと受け止めさせていただきました。
内容を目にしたときは、言葉に詰まるのと、あまりのいたたまれなさにしばらく動けず、全身の力が抜けるようでした。お客様の過ごされた時間を取り戻すことはかないません。貴重な時間と費用を無駄と感じさせてしまいました。本当に申し訳なく、心からお詫びを申し上げます。
お客様からの貴重なご意見、お言葉ををいただき、そのお心に触れさせていただくたびに、お客様の優しさや深さを感じ、必ず期待に応えられる宿にしたいという思いと、誠実な姿勢で相手を信じ精進し続けられる自分でいたい。と励まされます。もちろんお気持ちがおさまらないほど残念だったということに変わりなくいらっしゃったと思います。けれど、だからといって怒りにまかせただけの内容ではないことが伝わってまいります。
私たちは学ばなければなりません。接客の仕事にたずさわるということは、人がすることに絶対はないとしても、気持ちはいつも素直に、誠実で、愛があっての姿勢であれることを目指すことだと。周りがどうだから、ああだから、理由をつけて自分を正当化するのではなくありたいものです。
人は楽な方向へと流れやすいもの、そのことを受け止め、自分自身が意識をしてコントロールを身に着けてゆく事が成長のはず。
自分のことよりも常に相手のこと、仲間のことを考えられる人づくり、環境づくりを日頃から心がけ、時間はかかるかもしれませんが、愛嬌を備えながら、誠実に過ごしてゆきたいと自分を常に顧みながら仕事をしてゆきたい。順風満帆な日々からでは緊張感が失われてしまうものです。日常が恵まれていることに胡坐をかき、物事を深くとらえられなくなりがちです。石苔亭いしだでお仕事をさせていただいていることで、私は不完全で未熟な自分をいつも目の当たりにし、前を向いて頑張らなければ・・・と自分を顧みることができます。与えられた環境の中で最善を尽くし、結果を出すこと。この繰り返し、積み重ねが、自分で自分を好きになってゆくための当たり前で、難しい、基本的な考え方なのではないかと感じます。
厳しいお言葉も、自分と違う相手も、好きだ、嫌いだも、すべてが今の自分よりも成長すてゆくための学びなのだと感謝する考えをもてたら、人生はどんなふうに変わってゆくのでしょうね。 息子が生まれた時に息子の母子手帳に書いた言葉です。
「泣いて過ごすも一生、笑って過ごすも一生、同じ一生なら笑って過ごす一生を!」 多くの皆様に愛される宿づくりを実現するには、愛される一人一人になることです。愛される一人一人になるということは、自分以外の相手のことを大切に思う自分になる。ということです。一緒に笑って過ごす一生を目指して頑張りましょう。