2018年05月21日
狂言ってどんなふうに見たらいいのでしょうね。
狂言は対話を中心としたセリフ劇です。大がかりな舞台装置は一切用いず、言葉やしぐさによってすべてを表現します。狂言の大きな特徴は「笑い」。中世の庶民の日常や説話などを題材に、人間の習性や本質をするどく切り取って、大らかな「笑い」や「おかしみ」にしてしまいます。狂言の典型的なキャラクター「太郎冠者(たろうかじゃ)」を始め、様々な登場人物たちが織りなす物語。そこに描かれているのは現代にいたるまで変わらない、普遍的な人間の姿を表現しているといわれています。
狂言は中世を通じて、能と交互に同じ舞台で演じられてきました。歌舞を中心とした優美な象徴劇、能に対し、写実的な演技によって、滑稽に人間の姿を描く喜劇、狂言。両者は互いに切っても切り離せない関係を保っています。現在、能と合わせてユネスコの「無形文化遺産」に登録され、歴史的な、また現代に生きる演劇としての価値が、国内外を問わず広く認められているんですって。
演技
能に比べて狂言の演技は、写実的な表現をするとよく言われます。確かに日常的なしぐさなどを取り入れ、わかりやすい親しみやすさはありますが、実はそれもすべて様式化された「型(かた)」によって演じられています。立ち姿や歩き方といった基本姿勢から、しぐさや発声方法まで、狂言の演技の特徴をすこし理解できたら楽しめると思います。でも難しく考えなくても、現在のおわらいまんざいの初期と思えばよいのでしょうね。特別なことというより、庶民の間で始まったことだと聞いています。
狂言の人物
狂言には様々な人物が登場しますが、上司と部下、同僚、夫婦、僧侶や山伏など、だいたいの設定や肩書きが明かされるだけで、具体的な名前を名乗ることがほとんどありません。そして、登場人物の多くは、近所に住む人、地方から来たお金持ちなど、どこにでもいそうな、身近な印象があります。曲ごとに性格も振る舞い方も違いますが、ここでは、いろいろな曲に同じ役名で登場する、代表的なキャラクターたちを紹介しましょう。なお、狂言では主人公をシテ、それ以外をアドと表記します。
当日の午前中は子供さんたちが狂言に親しんでいただけるようワークショップとなっております。
午前の部も午後の部も、お席はまだございます。
是非お問い合わせください。